
【2027年度】簿記3級の出題範囲と配点はどう変わる?確定版の変更点

日本商工会議所は2026年7月31日、2027年4月1日から適用する日商簿記の出題区分表の確定版を公表しました。3級では紙の手形などの項目が整理され、販売のつど売上原価を記録する方法、固定資産の除却・廃棄、定率法が新たに範囲へ入ります。さらに9月25日、第2問を25点、第3問を30点に変更すると発表しました。2026年度の試験には従来の範囲と配点が適用されます。
ここでは日本商工会議所の確定版と改定説明資料、配点の発表を照合し、3級受験者が勉強する順番を整理します。この記事は2026年10月7日時点の公式情報に基づきます。
2027年度の簿記3級、いつから新しい範囲になる?
こぐま商会の受験相談室で、こぐまさんは二つの出題区分表を机に並べました。
こぐまさん:「2027年度の範囲が確定したなら、今受ける試験も変わるのかな?」
ペンリー:「まず受験日を見よう。切り替わるのは2027年4月1日だ。」
こぐまさん:「それなら、2026年度に受ける人と、2027年度に受ける人で教材の確認先を分けられるね。」
| 受験する時期 | 基準になる出題区分表 | 勉強の軸 |
|---|---|---|
| 2026年4月1日~2027年3月31日の試験 | 2022年度適用版 | 今の3級範囲を学ぶ |
| 2027年4月1日~2028年3月31日の試験 | 2027年度適用の確定版 | 新しい3級範囲を確認する |
この切り替えは統一試験だけでなく、ネット試験・団体試験にも適用されます。日程の確認は簿記3級の2026年度試験日ガイドと公式カレンダーを使ってください。
【こぐまTips:3級で変わる主な項目】
今回の改定では、紙の手形・小切手を使う決済の見直しを踏まえて出題内容を整理し、従来は2級から扱っていた一部の項目を3級へ移しました。「削除・整理された項目」と「新たに3級へ加わる項目」を分けて確認しましょう。
| 項目 | 2027年度の3級での扱い |
|---|---|
| 紙の手形 | 「手形」の独立した項目を削除。電子記録債権・債務までなくなるわけではない |
| 電子記録債権・電子記録債務 | 売掛金・買掛金と同じまとまりに移動。出題内容自体に変更はない |
| 普通預金 | 現金預金の項目に明記。新たに学ぶ取引が増えたという意味ではない |
| 販売のつど売上原価勘定に振り替える方法 | 2級から3級へ移行 |
| 有形固定資産の除却・廃棄 | 2級から3級へ移行 |
| 定率法による減価償却 | 2級から3級へ移行。償却率が示されるような簡易な問題に限定 |
こぐまさん:「手形の項目が消えても、電子記録債権は残るんだね。」
ペンリー:「そう。電子記録債権は残り、売上原価と固定資産に新しい練習項目が加わる。」
なお、当座預金そのものが範囲から消えるわけではありません。「紙の小切手の仕訳がすべて出題されない」といった個別の出題予想まで、この区分表だけで断定しないようにしましょう。また、改定の背景に新しいリース会計基準がありますが、**3級にリースの処理は追加されません。**支払家賃・支払地代は従来どおりの賃貸借処理で扱うと説明されています。詳しくは改定説明資料を確認できます。
2027年度から第2問・第3問の配点も変わる?
はい。日本商工会議所の2026年9月25日の発表では、2027年4月1日以降の3級は次の配点です。ネット試験・統一試験・団体試験に共通し、合格基準は100点満点中70点以上のままです。
| 大問 | 2026年度まで | 2027年4月1日以降 |
|---|---|---|
| 第1問 | 45点 | 45点 |
| 第2問 | 20点 | 25点 |
| 第3問 | 35点 | 30点 |
第2問の比重は5点増えます。ただし、**配点の変更だけで第2問に出る個別の論点や問題数まで決まったわけではありません。**勘定記入・帳簿などの基礎を飛ばさずに練習しましょう。
簿記ラボの現行の第2問道場と第3問道場は、2026年度までの配点を使う練習です。2027年度を受ける場合も処理の基礎練習には使えますが、道場の得点を2027年度の本番配点にそのまま換算しないでください。
新しい項目①:売れたときに売上原価も記録する
2027年度から3級へ移るのは、商品を販売するたびに、売れた商品の原価を「売上原価」に振り替える方法です。ここでは仕組みをつかむため、こぐま商会の商品を例にします。
商品20,000円分を掛けで仕入れ、その商品を30,000円で掛け販売したとします。販売のつど売上原価を記録する方法では、仕入れた商品を「商品」に記録します。
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 商品 | 20,000 | 買掛金 | 20,000 |
販売時には、売上の仕訳に加えて、売れた商品の原価を振り替えます。
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 売掛金 | 30,000 | 売上 | 30,000 |
| 売上原価 | 20,000 | 商品 | 20,000 |
こぐまさん:「販売時に、売上30,000円だけでなく、商品の原価20,000円も帳簿へ移すんだね。」
ペンリー:「そう。売上と売上原価を同じ販売のタイミングで記録する。」
2026年度までの3級対策で中心となる3分法とは、記録するタイミングと使う科目が異なります。販売のつど振り替える方法では、仕入時に「商品」、販売時に「売上原価」を使う点を押さえ、問題文が指定する方法を確認しましょう。この仕訳の型は、従来この方法を2級で扱っていたときの日本商工会議所のサンプル仕訳とも照合しています。売上原価の基本も先に押さえると理解しやすくなります。
新しい項目②:固定資産の除却・廃棄と定率法
使わなくなった備品を帳簿から取り除く除却・廃棄も、2027年度から3級の範囲になります。減価償却では、従来の定額法に加え、期首の帳簿価額に償却率を掛ける定率法が3級へ移ります。
例えば、期首から保有する備品の取得原価が100,000円、決算整理前の減価償却累計額が40,000円、問題文に示された償却率が20%なら、当期の減価償却費は12,000円です。
(100,000円 − 40,000円)× 20% = 12,000円
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 減価償却費 | 12,000 | 備品減価償却累計額 | 12,000 |
こぐまさん:「100,000円にそのまま20%を掛けず、これまでの償却額を引いてから計算するんだね。」
ペンリー:「そこが定率法の最初の確認点だ。3級では基本的な仕組みを押さえよう。」
日本商工会議所は、3級の定率法を償却率が具体的に示されるような簡易な出題にとどめるとしています。まずは減価償却の間接法を理解し、その後に新しい計算方法を練習するとつながりやすいです。
除却・廃棄は、使わなくなった固定資産を帳簿から外す処理です。例えば、取得原価100,000円、減価償却累計額90,000円の備品を廃棄し、売却代金や処分費用がなく、追加の減価償却も不要とします。残った帳簿価額10,000円を「固定資産除却損」にします。
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 備品減価償却累計額 | 90,000 | 備品 | 100,000 |
| 固定資産除却損 | 10,000 |
ここでは取得原価から累計額を引いた残額が損失になることを確認しましょう。除却・廃棄が3級に入ることは出題区分表で、科目名は2027年度の勘定科目表で確かめられます。勘定科目表は出題範囲そのものを示す資料ではありません。
こぐま商会の確認クイズ
こぐまさん:「2027年度に受けるなら、売れた商品の原価も記録する練習が必要だね。」
ペンリー:「では、商品5,000円分を8,000円で掛け販売したとき、販売時の二つの仕訳を確認しよう。」
販売のつど売上原価を記録する方法で、商品5,000円分を8,000円で掛け販売しました。販売時の二つの仕訳を考えてから、次の答えを確認してください。
答えと確認
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 売掛金 | 8,000 | 売上 | 8,000 |
| 売上原価 | 5,000 | 商品 | 5,000 |
売上の8,000円と、売れた商品の原価5,000円を別々に記録します。
受験年度を決めてから教材を選ぼう
こぐまさん:「まず受験日を決める。2026年度なら今の範囲、2027年度なら確定版に合わせて練習するよ。」
ペンリー:「その順番なら、今必要な内容と、これから加わる内容を混同しない。」
- 2026年度の受験者は、2022年度適用の区分表を基準に学ぶ
- 2027年4月1日以降に受ける人は、2027年度適用の確定版に沿った教材か確認する
- 新しい3級範囲では、売上原価の記録方法、固定資産の除却・廃棄、定率法を追加で練習する
- 2027年度向けの模試や教材は、第2問25点・第3問30点の配点にも対応しているか確認する
一次資料は日本商工会議所の2027年度出題区分表の確定版、改定項目の説明資料(PDF)、配点変更のお知らせです。受験時には更新の有無を公式ページで確認してください。

こぐま商会のまじめでやさしい店主。経理はまだ勉強中。
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